
DTP・デザインが必要とされている代表的な業界として
まずは印刷業界が挙げられると思います。
つまり、われわれDTP・デザインを生業にしている人間にしてみればメインの「お客様」なわけです。
今回は印刷業界の現状解説と将来予想をマサアキの体験・観点から記事にしようと思います。
印刷業界はオワコンなのかっ?

印刷産業 出荷額・事業所数・従業員数の推移

印刷業界はもともとの印刷事業だけで見たらオワコンです(キッパリ)。
業界の市場規模も年々縮小しています。
上の表組を見てもわかるとおりですね(つくるのちょっと大変だった)。
ただ、当然どこの印刷会社も黙って見ているわけではなく
こうした時代の変化に対応していこうと今までの印刷事業を縮小させて
電子書籍やデジタルコンテンツ制作などのデジタル化に力を入れたり、
印刷ノウハウを別分野に応用できないかと試行錯誤しています。
つまり業態転換を図っているわけです。
それが、リーマンショック後から今現在までの流れかなとマサアキは感じています。
キャッシュカード、クレジットカード、ETCカードやスマホのSIMカードなどの
ICチップ付きカードの製造をしているのも印刷会社なんですよ。
「印刷できないものは水と空気くらい、なんにでも印刷できる!」
なんて自慢げにいうのを聞いたことがあるような、ないような……。
他にも、印刷技術を応用して
人間の毛細血管を再生するなどの試みもあったようです。
印刷業界に対してのマサアキの所感

業界が変化を余儀なくされていた頃、
マサアキは大日本印刷の市ヶ谷にいました。
その頃の大日本印刷は市ヶ谷にあった印刷工場を大幅に縮小してました。
2008年のリーマンショックが起こった直後の頃です。
市ヶ谷から牛込のあたりまで続く「村」のような敷地(「大日本村」というのか言わないのか)に団地建物のように
立ち並んでいた工場を不要な建物から取り壊していました。
どこも同じ様な構造でさらに敷地が広いため、マサアキはよく迷っていました。
市ヶ谷の防衛庁・自衛隊も近くにあるのでちょっと不気味でしたよ(出るそうです)。
情報セキュリティの概念が浮上してきたのもこの頃だったと思います。
建物の出入り口に今でこそ珍しくはないですが、
駅にあるような自動改札が添えつけられてガードマンが常駐していて
関係者はセキュリティカードを首からぶら下げて出入りするようになりました。
以前からいろんな人が出入りするので少なからず盗難被害はあったみたいです。
結局、跡地の敷地全体は大規模に立て替えて現在は綺麗なビルが立ち並んでいます。
ビルのなかには食堂やコンビニ、ATMなどや、Wi-Fiスペースも入っていて
施設機能的には以前と変わったわけではないですけれど、イマドキな感じの作りになっています(最低限の施設機能は工場の時代からありましたが)。
ただ、広い敷地に大きなビルなので、DNPとしてどの事業のどの部署が入っているのかまでは詳しくはわかりません……。
印刷業界の売上と年収

印刷業界の売上高(2017~2018年)
凸版印刷と大日本印刷の2強でシェアのほぼ8割を占めています。
(売上高は億円)
- 1位:凸版印刷 14,527
- 2位:大日本印刷 14,122
- 3位:トッパン・フォームズ 2,373
- 4位:NISSHA 1,595
- 5位:共同印刷 950
- 6位:図書印刷 536
- 7位:共立印刷 484
- 8位:朝日印刷 385
- 9位:竹田印刷 369
- 10位:廣済堂 364
- 11位:日本創発グループ 363
- 12位:総合商研 166
- 13位:光村印刷 164
- 14位:宝印刷 157
- 15位:ウイルコHD 154
- 16位:野崎印刷紙業 152
- 17位:サンメッセ 151
- 18位:三光産業 126
- 19位:トーイン 121
- 20位:セキ 117
- 21位:平賀 74
- 22位:光ビジネスフォーム 71
- 23位:福島印刷 68
- 24位:光陽社 42
- 25位:カワセコンピュータサプライ 30
- 26位:ソノコム 23
引用元:業界動向SEARCH.COM
印刷業界の平均年収ランキング(2017~2018年)
現場で働いている人間にしてみれば羨ましい年収ですが……。
- 1位:大日本印刷 712万円
- 2位:凸版印刷 691万円
- 3位:トッパン・フォームズ 686万円
- 4位:宝印刷 667万円
- 5位:NISSHA 662万円
- 6位:図書印刷 614万円
- 7位:共同印刷 598万円
- 8位:日本創発グループ 584万円
- 9位:ソノコム 525万円
- 10位:福島印刷 521万円
- 11位:竹田印刷 514万円
- 12位:廣済堂 505万円
- 13位:共立印刷 504万円
- 14位:共立印刷 504万円
- 15位:光ビジネスフォーム 500万円
- 16位:サンメッセ 493万円
- 17位:光村印刷 464万円
- 18位:三光産業 457万円
- 19位:トーイン 449万円
- 20位:光陽社 448万円
- 21位:カワセコンピュータサプライ 436万円
- 22位:ウイルコHD 421万円
- 23位:野崎印刷紙業 415万円
- 24位:朝日印刷 410万円
- 25位:セキ 410万円
- 26位:総合商研 394万円
引用元:業界動向SEARCH.COM
じゃあ、DTP・デザインに
携わっている我々はどうなの?

上記の解説は印刷業界、印刷会社のものです。
冒頭でも述べた通り、DTP・デザインを必要としてくれているお客様なわけで
業界の全体像を把握するためにこの記事をつくりました。
そもそも、お客様の市場規模が縮小しているのだから、
DTP・デザインの市場規模も縮小していくのも当然です。
そしてDTP・デザインはおもに「紙媒体」を取り扱っていて
印刷会社の業態転換にまでは対応できかねてしまうわけです。
そんな長い長い不況の中にもかかわらず、
最近上場した印刷会社に小ロット印刷ラクスルがありますが、
みているとちょっと今までの印刷会社とは一線を画すところがあるように感じています。
従来の小ロット印刷会社にITを取り入れたネット印刷がもともとの業態ですが
上場して資金調達が容易になったことで物流などにも力を入れて行こうしているみたいです。
利益を自社に再投資しているようで、そういったところはAmazonなど巨大ネット企業などを研究してベンチマークにしているなと感じました。
Amazonがもともと本屋だったようにラクスルは小ロット印刷から日本でネットを使ったITビジネスを始めようとしているのかなと感じました。
話を戻して、じゃあ、DTP・デザインに携わっている人はどうしたらいいの? ってなるとこちらもこちらで「業態転換」するしかないのでは? っていうのがマサアキなりの答えですね。
例えばデザインをスキルを活かして他の仕事に就くとかですね。
一般企業のデザイン部門の転職するとか。
つぎはDTP・デザインのもう一つのお得意様である
出版業界についてみて行こうと思います。